戦略の始まりは目的地をはっきりさせることから

事業戦略を作るときに、よく持ち出されるのが前年度との比較だ。
しかし、その数字に根拠があることは少ない。
「前年までの伸び率がそのまま続くとすると」だったり、
それに「周囲の環境変化を織り込むとどうなるか」が加わるだけだったりする。
それが悪いわけではないけれど、これでは中々やる気が出ないことが多い。
なぜ、その数字を達成しなければならないのか、腑に落ちていないから。
特にその数字が上から降りてきただけという日には、義務感こそ湧いたところで、
中々やる気が湧かないのが人情だと思う。

戦略を作る時、本当はやるべきなのは、「どこに行きたいか」を定めることだ。
戦略は現状と目的地をつなぐために、何をやるべきかの方法論なのだから、
目的地がわからなければ本来は作れない。
そしてその目的地は、本当にそこに行きたいと思うから頑張るのであって、
「このまま、ちょっと早足で歩けば到達できるから」
(今より少し頑張れば、達成できる目標だから)
そこに向かうのではないはずだ。

優れた経営者は、明確な目的地を持っていることが多い。
そして、その目的地が”絵に描いたもち”ではなく、実際にそこに繋がる事業をしているから、人々から信頼と共感をうむ。

別に経営者でなかったとしても、同じこと。
言っている事とやっていることが一致すれば、人はその人を信頼し、共感する。
もっと言えば、特に何かを語っていなかったとしても、
やっていることがいつも一貫していれば、人はそれをなんとなく感じ取っている。

なので、まずはそういう「目的地」を持つところがスタートになる。
でも「本当に行きたい目的地」を持つことは、結構難しかったりする。
なので、次にどうすれば「本当に行きたい目的地」がわかるかを書いてみたいと思う。